雛への想い


 

  「梅も桜も盛りになりました。早う出ましゃりませ。
    
    お召し物もまだ美しゅうて、ひと安心。
  
    早う、おこしらえあそばしましょ・・・」


別名、『人形寺』と呼ばれている京都の宝鏡寺には

天皇家から贈られたたくさんの人形が残っています。

そのお人形を箱から出される時

尼僧さんは今もこんなふうに声をかけられるそうです。

そんな、何とも優雅な光景を想い浮かべながら

今年も、お雛様を並べ終えました。


早くに母を亡くした私には

幼い頃のひなまつりの思い出は殆どありません。

毎年飾る古い人形や着物も

若い頃から集めてきたものばかりです。

その中に一組、新しい段飾りがあります。

昭和53年、娘の初節句の折に父が買ってくれたものです。




あの頃

実家から2時間かかる山の中に住み共働きをしていた私達夫婦にとって

父親の助けは欠かせないものでした。

病気で保育園を休むたび、両手一杯お菓子を抱えて孫の世話に来てくれ

この季節、うれしそうにこの雛飾りを眺めていました。

男手ひとつで5人の子供を育て上げ

最期の一日まで、ひとり暮らしを楽しんで天寿を全うした父でした。

ひな祭りとは、親が子の幸せを願う日であり

子供にとっては親をなつかしく想い返す日でもあるのかと

ようやく気づく今日この頃です。


ひなめぐりでは、たくさんのおひなさまが並びます。

観光にお見えになる方の中には

「新しいものはつまらない」とおっしゃるかたもおられます。

ただそのどれもに、我が子の成長を願った親の心がこめられていることを想うと

どうか、時代や価値にとらわれることなく楽しんでいただけるよう

願わずにはいられません。


3月12日と13日のじないまち雛めぐり。

古い日本の町並みに、おひな様が華を添える2日間です。



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